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大正時代の伯山の人気は前後に例を見ないものであった。当時の演芸記者、森暁紅は、一龍斎貞山・小金井芦州、に「伯山」、これを釈界三羽鴉と称した。各々の芸風は異なっていたが、この三人が大正の代表的読み手であったという。この「伯山」の当り芸は「清水次郎長伝」で、そのはぎれの良い江戸前の啖呵は、寄席に通う人々を魅了した。「遠州森町、よい茶の出どころ」、と広澤虎造の浪曲で知られる。
三代目 神田伯山