広義の雅楽にはいる。天皇の即位に際して行われる大嘗会(だいじょうえ)の儀式に作物を献上する地方の民謡などをもとに生れたといわれる。民謡特有の囃子詞をもち曲調も明るい。中世が終わる頃に一旦廃れたかけたが、徳川家光が寛永2年(1626)上洛し、二条城で催した管弦の会がきっかけで、古譜をもとに復元され、その後再興した。現在、宮内庁式部職楽部に6曲が撰定曲として残る。


JTRAD 004

「更衣」(ころもがえ)は催馬楽のなかで最も優れた名曲といわれ、哀愁をおびたやさしい旋律を持つ。「衣がえせんや、しゃきんだち、我が衣(きぬ)は、野原篠原、萩の花すりや、しゃきんだちや」の歌詞が詠われる。
東京楽所、音楽監督/多 忠麿