JTRAD 003

歌舞伎の舞台で暗闇の中、役者が何の台詞も無く、探り合う様子や、物の取り合いなどの立ち回りをするとき演奏される歌舞伎音楽で、ここでは捕り物の立ち回りの「どんたっぽの合方」、探り合いの「木の葉落としの合方」、合戦の場の「初月の合方」が構成されている。
三味線/芳村伊十七 堅田喜三久社中


JTRAD 001

「野崎」は、お染久松で有名な「新版歌祭文」(しんぱんうたさいもん)という義太夫の中の「野崎村の段」で、お染と久松とが駕籠と舟とで別々に大阪へ帰る場面で演奏される部分。ここは俗に“野崎の連れ弾き”といわれて、二挺三味線で連弾される有名な部分。
三味線/鶴澤清介


JTRAD 075

義太夫の曲。作曲は鶴澤寛治。初演は竹本鐘太夫。もとは地歌の曲でそれが義太夫に移された。「本朝廿四孝」(ほんちょうにじゅうしこう)の四段目の一部。上杉謙信に追われた武田勝頼を狐の霊力が乗り移った八重垣姫が守るというストーリー。狐の感じをあらわす特殊な三味線の節つけや奏法が特徴である。
三味線/鶴澤清治


JTRAD 076

この曲は謡曲の「安宅」の筋をそっくりそのまま取って、七世市川団十郎が能の形式を模倣したものであって、長唄の歌詞も「安宅」から要所々々を抜いて綴り合わせたものである。内容は関守富樫と弁慶を含む源義経一行が安宅の関所で問答をするというもので市川団十郎のお家芸『歌舞伎十八番』の一つとして名高い。ここでは、「月の都」から義経の出に使われる鳴物入りの三味線、「ヨセの合方」で始まり、山奥の関所の雰囲気を出す「コダマの合方」、さらに有名な「延年の舞」「滝流し」の合方と続き、義経一行が立ち去る後奏で終わる。
三味線/芳村伊十七 コロムビアオーケストラ


JTRAD 077

文化8年(1811)に初演された長唄の名作。七変化舞踊「遅桜手爾葉七字」(おそざくらてにはのななもじ)の一曲。篠田金治作詞、九代目杵屋六左衛門作曲。越後(新潟県)から出て各地で軽業を演じた角兵衛獅子を描いた曲。越後の甚句(はやり唄)やおけさ(盆踊唄)もおりこみ、リズムや奏法に変化を持たせた組曲風の構成がなされている。
三味線/芳村伊十七 コロムビアオーケストラ


JTRAD 078

明治11年(1878)東京の新富座落成式のために作られた長唄。竹柴瓢助作詞、三代目杵屋正治郎作曲。上野の山に花見で集まった人々が元禄時代の派手な衣装と振り付けで踊るといった内容。はなやかな曲で三拍子を効果的に使っている。『花見』、『元禄』というとこの曲が演奏される。
三味線/芳村伊十七 コロムビアオーケストラ


JTRAD 079

安珍・清姫の伝説を脚色した能の「道成寺」を起源とした曲の一つであって、六十種類以上に及ぶと言われる道成寺ものの中で一番名高い曲と言ってよい。宝暦三年(1735)3月、初世中村富十郎が江戸へ下った時のお目見得狂言として出した舞踊劇に使われた長唄である。作曲は当時名手と言われた杵屋弥三郎であった。
三味線/芳村伊十七 コロムビアオーケストラ


JTRAD 080

新内三味線は中棹の仲間で本手と上調子の三味線のからみが特徴で、大川端や花街を新内の三味線を演奏しながら(流す)弾いていた。 演奏の富士松菊三郎は新派五代目家元として古典と創作の両面に活躍している。
芳村伊十七


JTRAD 081

津軽じょんがら節は津軽民謡を代表する曲で旧節・中節・新節の種類がある。越後の「新保広大寺くずし」、通称「ヤンレ節」がもとになって出来たともいわれる。津軽三味線は太棹の仲間で、「曲弾き」といって三味線の演奏が活躍する。演奏は民謡澤田流家元・澤田勝秋と澤田勝仁の掛け合いが聴きどころ。
三味線/澤田勝秋、澤田勝仁


JTRAD 082

本名題「三十三間堂棟由来」(平太郎住家の段)を通称「柳」という。この段切で、緑丸が京都の三十三間堂の棟に使う柳の大木を車に乗せて曳く場面で演奏される。哀調おびた木遣り音頭が特徴になっている。
三味線/鶴澤清治 コロムビアオーケストラ


JTRAD 083

「猪牙で行くのは深川通い 上がる桟橋いそいそと 客の心は上の空 飛んでいきたい主の傍」と唄われた深川節は、江戸時代、文政時代の「深川」全盛のころに作られ、幕末に神田橋橋本町に住む豊年斎梅坊主がひろめたと言われている。江戸前の粋さを三味線の豊寿・静子両人が聴かせる。
三味線/豊寿・静子 コロムビアオーケストラ


JTRAD 084

明治三十年ころ、豊年斎梅坊主がこの踊りを得意とし、その手足の振りは不思議な魅力だったといわれる。九代目団十郎でさえ、この踊りの振りを用いたといわれる。「かっぽれ」とは、「活惚」と書き「わたしゃお前にカッポレした」の文句からこの名があるという。当り鉦の調子の良いリズムに三味線の浮かれた演奏が楽しい。
三味線/豊寿・静子 コロムビアオーケストラ


JTRAD 085

「えゝ奴さんどちら行き 旦那迎えに さっても寒いのに供揃いお供は辛いネ いつも奴さんは高端折り アリャサ コリャサ それもそうかいな」三味線の軽快なリズムと旋律が粋な篠笛にからんだ楽しい曲になっている。
三味線/豊寿・静子 コロムビアオーケストラ