声明の一種。一般には諸仏、菩薩、高僧の徳や行跡を和文の詩形式で讃えた歌謡を指し。多くは七・五の十二音節を一句として、それを重ねる形式で作られる。のちの今様の成立や現代に伝わる童歌(わらべうた)などに大きな影響を与えた。鎌倉時代に入ると和讃は仏教儀式のなかでことのほか重要視されるようになった。これは親鸞の『三帖和讃』、一遍の『別願讃』などが今日までそれぞれ真宗・時宗の法要で声明として唱えられている事からも分かる。


JTRAD 009

和讃の流れを汲む御詠歌。詠歌は在家の人々が寺院・霊場めぐりにうたう歌で、明治時代に現在のかたちとなった。その主要な流派の一つ高野山の金剛流のもの。弘法大師(空海)の慈愛や導きを歌ったもので、七・五の十二音節を一句とする和讃の様式で作られている。
奉詠/高野山金剛講総本部 金剛流合唱団